こたつの日記

韓国ドラマを見たり、マッチングアプリをしている

コーダ感想(ネタバレあり)

 

 

見たいと思っていた、今年のアカデミー賞作品賞などの受賞作「コーダ」。

AmazonPrimeVideoで配信されていたので、またG検定受験お疲れさま会(己1人でですが。)ということで視聴いたしました。

 

久しぶりの映画なので、集中して見れるか不安でしたが・・・

途中で調理とかミルクティー作る休憩をはさみつつ、割とすんなり視聴し終わりました。

 

これ、韓国ドラマにハマって以降いつもなのですが、映画は周囲の人物のドラマがアッサリですね。16時間と2時間じゃね、そりゃあね、って感じですね。

 

 

主人公は高校生のルビー、自分以外の家族(父親・母親・兄)が聾者という環境で、父親と兄の漁を手伝っている。

予告を見た時は、「家族がろう者で、あまり裕福ではない。でも音楽大学に行きたいから、家族で協力してなんとかお金をつくろう!」という話かと思っていたら、けっこう違った。耳が聞こえる自分が家族と社会の通訳とならなければならない環境で、なかなか音大に行きたいと打ち明けられないこと、またその他いろいろなことと葛藤する話だった。正直、大学関係のお金については奨学金があるため、全く問題になっていなかった。

 

若者らしい葛藤の物語だった。構成は王道というか。ほどよく恋愛も絡み。

よく、青春というと成長物語という言葉がかかったりするけど、今作は主人公本人が作中で成長していたかというと、すでにもう成長せざるを得ない環境にいたため、すごく大人であったと思う。むしろ、家族の成長の話かな。聞こえる娘に頼りきりだった家族が、娘の自立に対して、娘に頼らずに生きていこうと成長していた。

 

自分だけが聞こえるという家族の中での孤独感、聾者の家庭で育ったことからの学校での孤独感を抱えるルビー。

耳が聞こえないことで社会からの孤独を感じ、家族で支えあっているルビーの父親と母親と兄。

最初の食卓の場面なんかは、明るい家族だなと思ったけど、社会からは孤独を感じているという、なんて表現したらいいのだろうな、一つの側面を見るだけでは分からないことがあるんだな。もしかしたら、家族でも学校でもなにか浮いていると感じているルビーのほうが苦しいのかもしれない。比べられるものではないけれど。

 

きっとこれは名シーンだと誰しもが思うであろう、合唱部のコンサートでの演出。ルビーとマイルズがデュエットを歌っているシーンで、途中で音楽が消える。父親が感じている世界になるのだ。

娘は歌うことがとても好きで、しかも上手らしい。でも、娘の好きなことが自分には感じることができない、聞こえない。すごく悲しいシーンなのだけど、周囲の人が2人の歌声を微笑んで聞いている表情だとか、感動して涙を流している人を見て、きっと娘はとても良い歌を歌っているだと感じる嬉しいシーンでもある。

それまで、主人公のルビーの視点で見ていたのだけど(私も娘なので、一番共感しやすいというか。)、一気の父親の気持ちに引き込まれてしまったシーンだった。アカデミー賞の受賞理由って公表されているのか分からないけど、きっとこのシーンが決め手だったんでしょう。勝手に推測しますが。

 

人間関係が希薄になっている昨今ですが、家族って素晴らしいなと。(安直)

 

音楽映画って素晴らしいなと、グレイテストショーマンとかラ・ラ・ランドとか、はじまりのうたとか見ていつも思うのですが、ろうの人って音楽の楽しみ方が違うんだよね。映画も、文字と映像だけ。また盲者は映画は逆に楽しくないのかもしれない、音楽は楽しめるけど。

不思議に思ったのが、これって現代の物語だけど、聾者への支援が意外となさそうなこと。支援というか、技術的サービスがもう少しないのだろうか?途中、警告音が聞こえなくて船舶の免許が停止にされるのだけれど、スマートウォッチをつけておいて、警告が来たときは振動させるとか。海上だと電波がなくて難しいのか?Bluetoothとかでいけそうな距離だけど、でも利用者が少なくて作る人がいないのか。

聾や盲の人が生きやすいよう、技術的サービスが増えるといいなと思ったし、そういう技術的サービスや社会制度をつくっていこうというメッセージは、直接的にはこの作品のメッセージではないのだろうけど、そういうメッセージを受け取って社会をよりよくしていく人がいるんだろうなと思った。