村田沙耶香さんの本は3冊目。
ホラー…なのか?
一つは、お勉強を頑張って、働く道具になること。
一つは、女の子を頑張って、この街のための生殖器になること。
私は多分、どちらの意味でも落ちこぼれなのだと思う。
序盤、小学生の奈月の思考だ。
小学生でこんなことを考えるだなんて、達観して世界を見ているなぁと思う。
私は勉強を頑張ったけど、満足のいく働く道具になれていない気がする。そもそも、時代は自己実現ややりたいことをやろうと言った機運が高まっていて、なんとなくそれに乗れていないからモヤモヤするのかなと思う。
少子化が進んでいて、父親は少子化を止めるために子を持てとか言ってくる。父親は直接的に私のことを道具とは思っていないだろうが、道具なのだろうなと思う。
そういったモヤモヤから逃避するように、奈月と夫と由宇は宇宙人のふりをする。そうやって生きられたら楽なのかもしれない。
社会とのつながりが薄くてわからないけれど、昨今は道具としての役割を放棄していてもひどく生きづらいというわけではないのかなと思う。私は宇宙人になる勇気はない。ひっそりと、地球星人の落ちこぼれとして生きていくのだろう。